上富良野岳ー上ホロカメットク登山
丘や花畑のイメージが強い美瑛ですが、まちの東側の国立公園内には、2000m級の山々が連なる十勝岳連峰があり、町中心部からもその大きな山々を眺めることができます。山開きされている時期には、ほとんどの雪が解けており、健康な人であれば日帰りで、様々な山に上ることができます。
そんな環境がそろっているなら、山に登らなくては。ということで、年に1回程度しか登山をしない私ですが、真夏の天気が良い日に登山をしてきたので、その時の様子を記したいと思います。
十勝岳連峰は主峰が十勝岳ですが、往復で7時間程度かかり、体力不足を実感している自分にはもう少し簡単な上富良野岳ー上ホロカメットクの登山をすることにしました。この2つはお隣、上富良野町に位置し、往復4時間少々程度で登山をすることができる山なので、練習にはもってこいです。
登山口は十勝岳温泉の凌雲閣脇からスタートです。登山入口付近は森林限界付近であり、少しずつ登っていくにつれ、次第に木々が低くなっていきます。また、本州では2000mくらいの位置からしか見られない高山植物が、上り始めの1200m程度からも見ることができます。この日は今までの天気が嘘なくらい、日差しが強く、植物をゆっくり観察するような日ではありませんでしたが…
30分くらい歩くと過去に噴火のあった火口「安政火口(ヌッカクシ火口)」に着きます。植物がない岩石がゴロゴロした空間は、この山が生きていることを物語っているようです。このあたりでは、ナキウサギの「ピィッ」という鳴き声がよく聞こえる場所でした。中々姿を見ることはできませんが、鳴き声はよく聞こえるそうです。
ナキウサギの鳴き声を聞いたのも束の間、安政火口からの登山が本格的の登山でした。そこから1時間半近く登り続けます。少し急な階段くらいの傾斜ですが、ずっと登り続けるのでかなり疲れました。40分程度登り続けると、傾斜も緩くなっていき、景色も開け、だいぶ楽になってきました。景色がよくなると気持ちがだいぶ良くなりますね。
休み休みではあったものの、目安時間の2時間と少しで上富良野岳頂上に到着できました。頂上は突風が吹いており、目の前には崖が広がっているのでなんだか吸い込まれていきそうな気がして、少し怖かったです。頂上で記念写真を撮った束の間、15分程度でたどり着く、上ホロカメットク岳へ向かいます。上富良野岳という名前は、名もなき頂に最近名前を付けたもののようで、この登山道の本筋は上ホロカメットク岳になります。多少の上り下りはありましたが、疲れることもなく到着。上富良野岳からの景色とは少し違い十勝岳の噴煙があがる火口をより近くで観察することができました。ここでは、持参したおにぎりを頬張りました。
他の周りの人はそのまま富良野岳や十勝岳へ縦走する人が多かったようですが、自分の体力を過信しないで今回は予定通り上ホロカメットク岳で下山することにしました。十勝岳は近々登りたいと思います。
下山は1時間半程度でした。体力的には余裕でしたが、ストックを持っていなかったこともあり、下山は少し怖かったです。細かい岩石や急な木道が多いので、下るほうが慎重になる必要がありました。途中撮影等をしながらゆっくり下山しましたが、総時間は4時間半ほどでしたので、ほぼ予定通りでした。
下山後は、最近サウナの聖地としても有名らしい白銀荘の温泉へ向かいました。この周辺には白金温泉、十勝岳温泉、吹上温泉と3地域の温泉があり、日帰り温泉が可能な施設は多くあるので、登山後すぐに温泉を楽しむことができます。白銀荘の日帰り温泉は700円とリーズナブルな価格でした。鉄のにおいがする温泉でいかにも温泉に入っていることが感じられる温泉でした。男性の露天風呂は外の駐車場から丸見えでしたが、風呂場は大きく非常に満足できるもので、人気があるのも納得でした。
自宅から30-40分程度で登山口まで行くことができ、2000m近くの山を往復4時間ちょっとで楽しめる環境に自分がいることがなんだか不思議に感じました。東京在住時は、登山するには片道2時間近くかかりましたので。美瑛で登山というイメージは正直持っていませんでしたが、今後も登山を気軽に楽しんでいきたいです。